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🦷子どもの歯並びと「お口の使い方」~マイオブレースでは何をするの?~🦷
「子どもの歯並びが気になる」
そう思って歯科医院を受診したのに、
「お口が開いていませんか?」「普段、舌はどこにありますか?」「鼻で呼吸できていますか?」
と聞かれたら、
「歯並びの相談なのに、どうして呼吸や舌まで見るの?」
と疑問に思われるかもしれません。
第1回では、子どもの歯並びは「今見えている歯」だけで決まるものではなく、顔やあご、歯を支える組織などが成長していく中でつくられていくことをご紹介しました。
この記事では、お口の機能と歯並び・成長発育との関係、マイオブレースで行うこと、相談できる時期についてご紹介します。
1.歯並びは「歯」だけを見ていてもわからない?
歯は、何もない空間に単独で並んでいるわけではありません。
歯列の内側には舌があり、外側には唇や頬があります。
そして私たちは毎日、
- 呼吸する
- 食べる・噛む
- 唾液や食べ物を飲み込む
- 話す
- 舌や唇を動かす
といった動作を日々繰り返しています。こうした「機能」と、歯・あご・顔などの「形態」は、互いに関係し合っていると考えられています。
そのため当院では、歯並びだけでなく、成長や呼吸、舌・口唇などの口腔機能も含めて確認します。
たとえば、
・何もしていないとき、舌はどこにあるのか?
・テレビを見ているとき、お口がポカンと開いていないかな?
・飲み込むとき、舌や唇をどのように使っているのかな?
こうした普段のお口の使い方も、成長期のお子さんを診るうえで確認するポイントです。
ただし、歯並びやあごの成長は一つの要因だけで決まるものではありません。
「口が開いているから必ず歯並びが悪くなる」
「舌の位置だけが原因」と決めつけず、年齢、歯の生え替わり、あご、かみ合わせ、口腔機能などを総合的に確認することが大切です。

2.呼吸・舌・飲み込み・唇は、どのようにつながっているの?
マイオブレース治療では、お口の機能を
① 呼吸 → ② 舌 → ③ 嚥下(飲み込み) → ④ 口唇・頬
という順序で確認し、必要な練習を行っていきます。
① 呼吸
まず確認するのが「呼吸」です。
鼻で呼吸できているか、普段からお口が開いていないかなどを確認します。
② 舌
次に確認するのが「舌」です。
舌は食事や会話のときだけでなく、なにもしていない時にも口の中にあります。そのため、普段の「舌の位置」も確認します。
③ 嚥下(飲み込み)
飲み込むときには、舌・唇・頬など、さまざまな部分が働きます。
毎日繰り返す動作だからこそ、飲み込むときのお口の使い方も確認します。
④ 口唇・頬
安静時に自然に唇を閉じられているか、飲み込むときに口元へ必要以上の力が入っていないかなどを見ます。呼吸・舌・嚥下・口唇や頬を、関連するお口の機能として捉えることが大切です。

3.お口の機能は、子どもの成長発育とどう関係するの?
子どもの顔やあごは成長の途中にあります。
前回の記事でご紹介したように、骨は形や位置を変えながら発育していきます。
その周囲では、舌・唇・頬などの筋肉も働いています。
成長期には、「あごや歯列の形」と「お口の機能」の両方を見る視点が重要なのです。
マイオブレース治療でも、鼻呼吸・舌の位置・正しい飲み込み・口唇の閉鎖などに取り組みながら、歯列やあごの状態を継続して確認します。
ただし、お口の機能を整えれば必ず理想的な歯並びになるわけではありません。
成長や歯の生え替わり、あご・歯列の状態には個人差があります。
成長段階とお口の機能を確認し、一人ひとりに合った治療を考えることが重要です。

4.なぜ、諸隈歯科医院はマイオブレースを導入したのか
~成長期から取り組むことで、将来の治療の選択肢を広げる~
諸隈歯科医院がマイオブレースを導入した理由の一つは、あごや顔が成長している子どもの時期から、お口の機能にも目を向けたいと考えているからです。
成長期にお口に関わる機能を整え、成長発育を促すことで、その後の成長や永久歯の状態によっては、本格的な矯正治療の負担を軽減できる可能性があります。
本格的なワイヤー矯正治療を行わずに済む場合には、次のようなメリットが考えられます。

※大切な注意点:マイオブレースを行えば、必ずワイヤー矯正や抜歯矯正を避けられるという意味ではありません。
諸隈歯科医院では、子どもの歯並びを「歯をきれいに並べること」だけで終わらせないことを大切にしています。
成人の矯正治療では、歯列や骨格の状態によって抜歯を伴う治療が選択される場合があります。
一方、子どもは顎顔面の成長発育が続く時期です。
成長期から取り組むことで、将来の矯正治療の内容や負担を軽減できる可能性があり、治療内容によっては費用面の負担が抑えられる場合もあります。
ただし、「マイオブレースをすれば、将来絶対に矯正をしなくてよい」「抜歯矯正が必ず避けられる」
という治療ではなく、成長や骨格、永久歯の状態によっては、成長後に本格的な矯正治療が必要になることもあります。
それでも、成長期に歯並びとあわせて呼吸・舌・口唇・嚥下などの機能を見ることには意義があると考えています。
5.マイオブレースは何歳から?当院が大切にしている「5歳~12歳頃」の成長期
特に大切に考えているのが、5歳から12歳頃の成長期です。
乳歯から永久歯への生え替わりが進み、あごや顔の成長発育も続いています。
同時に、
- 鼻で呼吸する
- 舌を適切な位置に保つ
- 唇を自然に閉じる
- 適切に噛む
- 正しく飲み込む
といった口腔機能を育てていくうえでも大切な時期だと考えています。
当院では、子どもの時期だけでなく、その先のお口の健康も見据えています。
良好なかみ合わせや口腔機能を育て、生涯にわたって自分の歯で食べられることにつなげたいと考えています。
もちろん、歯を失う原因はむし歯や歯周病などさまざまで、マイオブレースだけで将来の歯の喪失を防げるわけではありません。
子どものうちから歯並び・かみ合わせ・口腔機能に関心を持ち、セルフケアや定期受診につなげることは、将来のお口の健康を守る土台になります。
子どもの成長期から、歯並びやかみ合わせ、口腔機能を含めた「お口の健康づくり」を始める。
それが、当院が小児期の歯並び・口腔機能に取り組む理由の一つです。
6.マイオブレースは「装置をつけるだけ」の治療ではありません
マイオブレースでは、取り外し式の装置を使用します。
ただし、装置を入れて待つだけの治療ではありません。
装置とあわせて、「アクティビティ」と呼ばれるお口のトレーニングを行います。
呼吸・舌・飲み込み・唇や頬などの機能を少しずつ練習します。
当院では、マイオブレースの装着は日中1~2時間と夜間就寝中を基本とし、アクティビティは1日2回、1回2~5分程度を基本としています。

必要に応じて、舌のためのスペースを確保することなどを目的として、BWSと呼ばれる補助装置を併用する場合もあります。
治療内容は、歯の生え替わり、歯並び、かみ合わせ、あご、お口の機能などを確認して判断します。

BWS
7.治療で一番大切なのは「本人」と「保護者」の二人三脚
マイオブレース治療で特に大切なのは、
「治療の主役はお子さん本人であること」
そして、
「保護者の方の協力が欠かせないこと」です。
取り外し式の装置と毎日のアクティビティを続けるため、歯科医院に来たときだけ頑張ればよい治療ではありません。
お子さん本人に「やってみたい」という気持ちがなければ、治療の継続が難しくなる場合があります。
当院では、お子さんにもわかる言葉で説明し、本人の気持ちを確認します。
まだ治療への意思がない場合は、無理に始めず、気持ちが整ってから改めて相談することも大切だと考えています。
一方、小学生のお子さんがすべてを一人で管理するのは簡単ではありません。
そこで、保護者の方には、
・毎日の装置使用を確認する。
・アクティビティを一緒に行う。
・できたことを認める。
・忘れていたら声をかける。
といった日々のサポートをお願いしています。
「本人が取り組む気持ち」+「保護者のサポート」
この二つを当院では大切にしています。
8.マイオブレースについてよくあるご質問
Q.装置をつけるだけでいいの?
いいえ。装置とともに、呼吸・舌・飲み込み・口唇や頬などのアクティビティを継続します。
Q.何歳くらいから相談できますか?
諸隈歯科医院では、年長 (6歳) 頃からご相談いただけます。
開始時期は年齢だけでなく、歯の生え替わり、歯並び・あご、お口の機能、本人の意思などを確認して判断します。
Q.子ども本人が治療を嫌がっている場合は?
無理に始めず、お子さんが治療を理解し、「やってみたい」という気持ちを確認してから開始します。
Q.保護者も一緒に取り組む必要がありますか?
はい。毎日の継続を支えるため、保護者の方の協力はとても大切です。
アクティビティを見守り、声をかけたり、できたことを認めたりすることも大切なサポートです。
Q.マイオブレースをすれば、将来は矯正治療をしなくても大丈夫?
必ずしもそうとは限りません。
成長や骨格、永久歯の状態によっては、治療後に本格的な矯正治療が必要になる場合があります。
マイオブレースは、将来の矯正治療を必ずなくすものではなく、成長期から歯並びと口腔機能の両方に目を向ける選択肢の一つです。
9.子どもの今だけではなく、その先の「お口の健康」へ
子どもの歯並びは、目の前に見えている歯だけでなく、
「どのように成長しているのか」
「どのように呼吸しているのか」
「舌や唇をどのように使っているのか」
「どのように噛み、飲み込んでいるのか」
という視点から見ることも大切です。
マイオブレースでは、装置の使用とともに、お口の機能に目を向けたアクティビティを続けます。
その中心にいるのはお子さん本人です。
保護者の方と歯科医院が加わり、一緒に成長を見守っていきます。
当院では、今の歯並びだけでなく、大人になった先のお口の健康も見据えて、小児期からの歯並びと口腔機能を考えています。
「子どもの歯並びが気になる」「いつもお口が開いている」「舌の位置や飲み込み方が気になる」など、お子さんのお口で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。成長段階やかみ合わせ、お口の機能も確認しながら、一人ひとりに合った対応を一緒に考えていきましょう。
監修者情報
諸隈歯科医院
院長・歯学博士
- 略歴
- 日本大学歯学部卒業。同大学大学院歯学研究科修了後、専修医を経て2014年より諸隈歯科医院に勤務。2017年院長就任。再生医療認定医。千葉市稲毛区黒砂にて地域診療に従事。
- 専門分野
- インプラント、補綴治療(被せ物・入れ歯)、咬み合わせ、根管治療、矯正歯科など、機能回復を重視した総合歯科治療。顕微鏡やデジタル印象などの設備体制のもと、再治療を繰り返さない治療を目指す。
- 資格・所属
- 日本顎咬合学会 咬み合わせ認定医/日本口腔インプラント学会 /日本歯内療法学会 ほか。日本再生医療学会 再生医療認定医 2016年取得。
- 診療方針
- 「できる限り歯を残すこと」「しっかり噛める状態を回復すること」「その場しのぎで終わらせないこと」を大切にしています。初診時の説明から治療後のメンテナンスまで一貫して向き合い、長期的に安定する治療計画を重視しています。
- 患者様へのメッセージ
- 本ブログでは、千葉市・西千葉・みどり台周辺で歯科医院をお探しの方を中心に、診療現場で実際に多いご相談内容をもとに、治療の選択肢やそれぞれの利点・注意点を整理しています。専門的な内容も、できるだけわかりやすく、誇張なくお伝えすることを心がけています。「本当にこの治療でよいのか」「他の方法はないのか」と迷われた際は、一人で抱え込まずご相談ください。地域のかかりつけ歯科として、丁寧な説明と納得のうえで治療を選んでいただくことを大切にしています。
