Cavity
むし歯治療

10年後・20年後を見据えた
患者さまのためのむし歯治療
歯がズキズキと痛んだり、歯ぐきが腫れて痛みを感じたりする場合、むし歯や歯周病である可能性が非常に高いです。
むし歯は風邪のように自然に治癒する病気ではなく、放置することで症状が進行してしまうため、早めの治療が必要です。
それぞれの段階的なむし歯治療を施し、歯への負担を減らし、少しでも歯を残すことが大切です。
またむし歯治療により削った歯をどうこれ以上ダメージを与えないか管理していくかが重要であり、歯を守るためのむし歯予防も合わせて提案しています。
むし歯について

むし歯は、お口の中に存在する細菌が原因で発生します。
歯磨きが不十分で磨き残しがあると、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が形成されます。これらの細菌は、食べかすを栄養源として酸を生成し、徐々に歯を溶かしていきます。これがむし歯のメカニズムです。 初期の段階の、歯が少し溶けた状態(脱灰)であれば、唾液の再石灰化作用により、健康な歯質に戻る可能性があります。
当院のむし歯治療の特徴
01むし歯の予防を重要視した治療方針

従来のむし歯の治療のイメージですと「悪いところを削って終わり」という風に思われるかもしれません。
しかし、当院では、むし歯治療の際に「天然歯をできるだけ残すこと」を重視しています。
セラミックの補綴物はどれほど頑丈であったり、審美性を維持しても、経年劣化するため、削らなくて良い歯は保存したいと考えています。
ですので、むし歯を進行させないため、予防歯科の重要視しています。
また定期的な歯科検診により、むし歯を早期に発見し、進行を防いだり、生活習慣の改善も強く推奨したりしています。
02むし歯が重症化した場合にも対策を行っています
むし歯の進行度合いと治療方法
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CO
初期のむし歯
CO(要観察歯)という、ごく初期の小さなむし歯では、歯の表面は白っぽく濁って見えることがあります。
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C1
エナメル質のむし歯
歯の表面に黒い箇所が見え、表面のエナメル質が溶かされ、むし歯が徐々に進行している状態です。
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C2
象牙質のむし歯
エナメル質の奥の象牙質まで細菌が進行している状態です。象牙質は神経に近いため、食べ物や飲み物の温度刺激により、知覚過敏として歯がしみるようになります。
- C3
- C4
むし歯治療の基本
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01
再石灰化を促す
むし歯がごく初期の段階であれば、歯を削る必要はありません。フッ素塗布やブラッシング指導を通じて、歯の自然な修復機能である「再石灰化」を促し、症状の改善を目指すことが可能です。
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02
歯の切削と詰め物
むし歯が歯の表面にあるエナメル質に限定されている場合は、むし歯部分を削り取り、その場で樹脂(コンポジットレジン)を詰める治療を行います。この治療法は、麻酔を必要とせずに対応できるケースが多いのが特徴です。
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03
定期検診
むし歯は早期発見と早期治療が非常に重要です。特に初期段階のむし歯は自覚症状が少なく見つけにくいため、定期的に歯科医院の検診を受けることで、歯の状態を把握し、適切な治療を進めることが大切です。
むし歯の進行が中等度から重度に至ると、基本的な治療方法では効果が限界を迎えることがあります。
当院では、進行したむし歯に対し、詳しい診断をもとに治療計画を立てます。例えば、歯髄再生療法や適切な補綴治療を用いることで、患者様の歯の機能や健康を取り戻すお手伝いをしています。
もしむし歯が重症化してしまった場合は
歯の内部には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。むし歯や外傷によって歯髄が感染したり壊死(えし)したりしてしまった場合、歯髄を除去する根管治療が必要となります。また、根管治療を一度行っても再び感染が発生したり、治療後に感染が残っていたりする場合には、再根管治療が求められることもあります。
当院では歯の神経に対して以下のような神経への治療を行っています。
進行したむし歯治療①
歯髄再生療法
(神経を再生させる)

歯髄再生治療は、むし歯や外傷などで歯髄が損傷した歯に、歯髄幹細胞を移植して神経を再生させる治療法です。歯髄再生治療は2020年に日本で承認され、臨床研究や治験が国内外でも進んでいます。
歯髄再生療法をすすめるのはこんな方
- 歯医者で神経を取る必要があると言われたが残す可能性を探している方
- すでに歯髄を失っている方
進行したむし歯治療②
歯髄保存療法
(神経を保存する)

歯髄保存療法は、むし歯や外傷によって口腔内に露出した歯髄を保護し、その健康を保つことで歯の寿命を縮めない治療法です。この治療は、歯髄が炎症を起こしやすい状況で、歯髄を温存するための処置が必要です。
歯髄保存療法をすすめるのはこんな方
- むし歯が神経に近い場合で、できる限り歯や歯の神経を長持ちさせたいと考えている方
- なんとかして歯の神経をできる限り残したい方
進行したむし歯治療③
根管治療
(歯の根の治療)

根管治療とは、歯の根管(歯の根の中にある神経や血管を含む組織)の治療で、歯の神経を抜いたり、根管内の細菌を取り除いたりする治療です。
一般的には歯の神経部分までむし歯が進行した際には、この選択を取るのが一般的です。
歯の神経を抜き、歯の根管内の痛みや炎症を抑え、無事、菌の再侵入を防ぎ、封鎖できれば歯を残すことができます。
根管治療のおおまかな流れ
- Flow01
神経を取り除く治療
リーマーやファイルといった専用器具を使用し、根管内に感染した神経や血管を除去するとともに、根管の拡大形成を行います。根管内は非常に複雑な構造をしているため、取り残しや損傷が起きないよう慎重に作業を進めます。
- Flow02
根管内の消毒
感染部分を取り除いた後、シリンジを使って根管内を洗浄し、細菌を除去します。多くの場合、洗浄を繰り返すことで細菌をほぼ取り除くことが可能です。感染範囲が広い場合には、超音波を活用して根管内をさらに徹底的に洗浄することも行います。
- Flow03
根管充填~土台作製
消毒を終えた根管内には薬剤を詰めます。この際、隙間ができないよう適度な圧力を加えます。隙間が残ると再感染のリスクが高まるため、慎重に作業を行います。その後、被せ物を支える土台を作製し、歯に設置します。最後に被せ物を取り付ける準備を整えます。
- Flow04
被せ物の装着
根管治療が完了した後は、歯を保護し、正常に噛める状態を取り戻すために被せ物(クラウン)の装着が必要です。特にセラミック製の被せ物は、見た目が自然で耐久性にも優れているため推奨されています。
根管治療の治療費(健康保険適用外の場合)
基本治療費
治療計画相談(コンサルティング) | 90分 15,000円〜※30分 5,000円 |
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再診料(主に経過観察時に行う検査等) | 4,400円 |
歯内療法
抜髄 / 断髄(コア除去、CT撮影、支台歯築造、パーフォレーションリペア込)
前歯部 | 165,000円 |
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小臼歯 | 187,000円 |
大臼歯 | 187,000円 |
感染根管治療(コア除去、CT撮影、支台歯築造、パーフォレーションリペア込)
前歯部 | 176,000円 | |
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小臼歯 | 198,000円 | |
大臼歯 | 220,000円 | |
外科的歯内療法 歯の移植(CT撮影、移植歯3D模型込) ※別途根管治療が必要になります。 |
220,000円 | |
ファイバーコアのみ | 44,000円 | |
TEK | 7,700円(自) | |
破折ファイル除去 | 88,000円 |
キャンセル費用
自由診療開始後の無断キャンセル | 11,000円/30分 |
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進行させずにむし歯を食い止める
むし歯の進行・再発への
予防歯科

むし歯の進行や再発を予防するためには定期的に歯科医院で検診を受けることも重要です。前述の通り歯への段階的な処置を行い、歯の切削をできる限り避け、歯への負担を軽減するためにも、定期的歯科医院で定期的にチェックを受けましょう。
もし進行があった場合にはむし歯や治療した歯の問題を早期に対応もできます。