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日本人の根管治療の再発率は
60%前後と東京医科歯科大学発表の統計でありますが
臨床実感としてはもう少し高い気もしています。
日々根管治療に奮闘しておりますが
今回のケースは印象深いケースですのでブログに載せます。
右下の奥歯に自覚症状は認めないものの歯茎から膿が出ています。
これは典型的な慢性根尖性歯周炎であり
慢性疾患は、状態がよほど酷くない場合は痛みを感じないことが多いので
根から膿が出てますよ、顎の骨が溶け出してますよ、と説明すると
患者さんは驚かれることが多いです。
レントゲンを撮ってみると根管充填をされた形跡はあるのですが
なぜか、根充材が歯根とは異なる方向に向かっていることがわかります。
レントゲン撮影はCTと異なり歯を2次元で撮影するので
根充材と歯根が若干異なる方向に見えることはありますが
こちらは明らかに違和感を感じます。
マイクロスコープを使用して虫歯とレジンコアを除去し隔壁して根管治療を開始しました。
すると出血を認めます。
これは明らかにおかしいと探っていくと
パーフォレーション(歯根に穴が開いている)を認め
そこに根管充填がされていました・・・・・
根充材を除去していくと骨のなかに充填されたガッタパーチャ(シリコンゴム)は
真っ黒に汚染が認められます。
しかもそれが近心根の2根と遠心根の全てで認められるヘビーケース・・・
今後、治療を継続してパーフォレーションリペアを行い
歯の保存に努めて参ります。
歯周治療と根管治療は歯を保存するための最も基本的な治療で
建築で例えると基礎工事です。
この二つの治療がうまくいかないと
白い歯を被せても歯は数年でダメになってしまう可能性があるので
決しておろそかに出来ません。