ブログ
blog
blog
先日学校健診(学校歯科医として、幕張総合高校・市立千葉高校)を行ってきました。
その時、感じたことは虫歯や歯周病が原因の歯の欠損(抜去歯数)が減ってきていることです。
実際に歯科疾患実態調査でも虫歯の数は若年者で減少傾向です。
しかし、一方でよく見るようになったのは歯の内部の問題です。
一見、銀歯や金歯、セラミックなどの被せ物(差し歯)で綺麗に修復されていても
内部の神経は取っているので免疫力が及ばないため
腐敗が進行していることがあります
実際に被せ物を外して内部を観察すると汚れた配管の様にドロドロな事が多々あります。
内部がこの様に汚染されていると体調が悪い時に歯が重たい感じがしたり、違和感を感じたり
状態がひどいと膿が骨の中に溜まって腫れたりします。
この歯を綺麗に治療していくには大変な労力が患者さん、歯科医師共に求められます。
では、この原因は何かというと歯の内部の細菌感染です。
細菌はもともと唾液中に浮遊しており、それらが虫歯や歯周病によって歯の内部まで到達することから始まります。
通常、歯の内部は歯髄とよなれる神経と血管で満たされた組織によって免疫機構が働いていますが
神経を取り除くと歯の内部は空っぽになり、歯の細菌に対する抵抗力は著しく減少します。
そこで、歯内療法と呼ばれる「根管治療」を行い歯の内部を洗浄・除菌していくわけですが
歯の治療は何度もできるわけではありません。
再治療の限界は4回から5回程度と言われており、再治療を繰り返すほど再発のリスクは上昇します。
そのため、根管治療は最初が肝心です。
まだ感染が進んでいない歯の治療は汚染度も低く、比較的難易度は低いので
1度目の処置が最善で行えれば治療の成功率は90%と言われています。
※この写真の様に、最初の治療の時、歯の内部は2回目・3回目に再治療に比較して綺麗です。
歯を守るために、歯周病だけでなく、歯の内部の状態も気にしてみてください。