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矯正治療による咬合改善と舌房(舌を置くスペース)の改善を行いました。
歯並びが悪いことによる弊害は
見た目や噛み合わせだけでなく
舌房の改善によって呼吸機能改善も挙げられます。
舌房が狭いと睡眠時に舌根沈下による軌道の狭窄が起き
閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスク因子となることがあります。
矯正治療はそういった症状改善にも有効とされています。
本症例では初診時から咬合誘導にも問題を認めていましたが
初期は奥歯だけの治療を希望され
既存の歯列の改善を伴わない治療でした。
その後、経過観察をしていましたが外傷性咬合のため歯根破折を起こし抜歯→インプラント治療となったため
併せて矯正治療を行い歯列不正・外傷性咬合・舌房の改善に取り組むこととしました。
インプラント治療と矯正治療併用のメリットは
インプラントを強固な固定源とした矯正治療を行えることです。
矯正治療単独では*アンカレッジロスと呼ばれる固定源の喪失に伴う歯の移動によって噛み合わせが変化しますが
本症例のように噛み合わせについては保存的に部分的に治療を行いたいときは
インプラントを用いた強固な固定源によって移動させた歯だけを動かして治療を進めることができます。
*アンカレッジロス
固定の喪失。固定が無くなるという意味です。
矯正治療で歯を抜歯した場合、抜歯したスペースを閉じる必要があり
引っ張り合いをする前後の歯のどちらかに固定力が無い場合
目的としていない歯が抜歯したスペースに向かって動いてしまいます。
したがってアンカレッジロスを起こしてしまうと
歯が目的に合わせて移動しないことになってしまいます。
このような治療方法を限局的矯正歯科治療(Limited Orthodontic Treatment)と言います。
本症例は喪失した歯をインプラントによって回復させつつ下顎のアーチを整え噛み合わせの改善を行うことができました。
治療内容
インプラント 1本 右下
部分矯正 インプラントアンカー併用 右下
根管治療 セラミッククラウン 2本 左下
治療期間 1年6ヶ月
治療費 1,621,500円