虫歯治療を行った際に

歯の神経を保存することは

歯の延命にとって重要です。

 

歯の神経があると

免疫力が働き歯の内部の汚染を防いでくれたり

痛みを感じることで細菌に歯が汚染されそうになっても歯の異常を早期に発見できたりします。

 

今回の症例は

レントゲン上は大きな虫歯が認められず

自覚症状もありませんでした。

 

（写真の右上奥から２番目

※上下左右の親知らずはレントゲン上は認めますが虫歯治療前に抜歯してあります。）

 

しかし、CTにて３次元撮影を行いうと

髄角と虫歯が近接しており虫歯除去の際に神経が露出する可能性がありました。

 

これまでは神経が露出した場合は

抜髄と呼ばれる歯の神経を除去する処置に移行するのが一般的ですが

今回は自発痛もなく偶発露髄と呼ばれる

感染を伴わない神経の露出と判断しました。

 

以下の手順で１日で治療を終えました。

虫歯除去（可能な限り歯を削らない）→神経露出（偶発露髄）→直接覆髄（MTA）→CR修復

 

術前

 

術中動画

 

術後　写真１

術後　写真２（いちばん左端の奥歯）

術後は違和感もなく問題なく食事することができています。

 

歯の再治療は回数が限られていますので

最小限の削除量と即日修復で

患者さんの負担を少なくしつつ

歯の延命に今後も力を入れていきます！