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歯の際治療において
銀歯を外したら内部のセメントが崩壊して
虫歯になっていることがよくあります。
銀歯は日本で保険治療が認められている方法ですが
先進国の治療としては珍しくなってきているのではないかと感じています。
銀歯のメリットは安く治療ができる一方で
デメリットとしては
1:金属アレルギー
口の中は熱いもの、冷たいもの、強い咬合力(ひと噛み約70Kg 1日の咀嚼回数 平均1500回)を受けるなどの、過酷な環境です。
そのため経年的に銀歯は傷ついていきます。
そして銀歯の金属がイオン化されて溶け出すことで、体の中の蛋白質とくっつき、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
金属アレルギーは口の中の異常だけに限らず、体全身の異常をきたす可能性があります。
掌蹠膿疱症と呼ばれる手が赤くただれたり、全身にぶつぶつができたりすることもあります。
銀歯を入れてすぐに異常が出る場合だけでなく、何年もしてから体に異常が出てくることも多く、原因不明の皮膚病だと思われることがあります。
とくに銀歯に含まれているパラジウムはアレルギーを引き起こしやすく、パラジウムに対してアレルギー反応を持つ方は5人に1人ほどいるといわれています。
2:被せた歯がまた虫歯になる
銀歯と歯は歯科用のセメントでくっついていますが
中のセメントも劣化してくるので
銀歯の中で、元々の歯が真っ黒になっていたといったこともよくあります。
これは、歯と銀歯、それらを接着させるセメントの硬度が異なるため
歯が欠けたり、銀歯がすり減ったり歪んだり、セメントにヒビが入って溶け出したりして虫歯になります。
銀歯の下の虫歯は発見しづらいですし、レントゲンにも写りにくいので
定期的に歯科医院でチェックを行なっていても、虫歯がある程度大きくならなければ見つからない場合があります。
保険適用によって日本の歯科治療は安く、誰でも手軽に受けられるという利点もあります。
しかし、全ての治療にはメリット・デメリットが存在し
完全な治療方法を探すことは困難だと考えています。
治療方法(手法や材料特性)について十分理解し
治療方法を選択するのも大切なことです。
口腔内の環境を維持するために最も大切なことは
問題が見つかった時は最善の治療を徹底して行い
その後は、定期的な歯科受診と毎日の丁寧な歯磨きです。
口腔内が機能的に問題なく清潔であれば
細菌が産生する酸によって金属イオンが溶け出すリスクも減りますし
虫歯や歯周病のリスクそのものが低く抑えられます。
このケースは銀歯を外したら虫歯があり
除去してCR(コンポジットレジン)を充填していきました。
CRのメリットは虫歯だけを削るので歯を削る量が少ないこと、治療が1日で終わること
デメリットは耐久性に不安があることと汚れやすいことです。
患者さんと話し合い、大きく削ること(セラミック治療)は今後もできるので
今は最小限の侵襲で治療したいとのことでしたから
CRを選択させて頂きました。
CR充填の肝は隣接面です。
隣接面の歯質をできる限り残して
縁下マージンを作らないこと(防湿の観点から)、解剖学的形態を温存して充填操作をやりやすくすること(充填時イメージできやすくなる)です。
CR充填直後
形態修正と研磨直後です。
問題なくかめているとのことで患者さんには満足いただきました。