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根充材の劣化及び破折ファイルによる根管感染のリスク

根管治療(根の治療)を行う際

過去に根管治療を受けた歯の再治療を行なっていくと

ガッタパーチャポイントが感染を起こしてボロボロに劣化・変色しているケースを多々認めます。

 

比較的新しい海外の論文(review)をざっとみてみると

詳しい手技までは読んでいませんが

従来の根管治療の成功率は70.9%〜83%とされています。

Outcomes of nonsurgical retreatment and endodontic surgery: a systematic review.
Torabinejad M, Corr R, Handysides R, Shabahang S.
J Endod. 2009 Jul;35(7):930-7. doi: 10.1016/j.joen.2009.04.023.

 

しかし、この成功率は徹底した診査診断と

適切な手法根管治療を行なった場合の結果です。

 

日本では国民皆保険制度によってコストが一定に保たれているため

ラバーダムによる防湿・ニッケルチタンファイルによる拡大形成・徹底した洗浄など

根管治療で行いたい処置の実践がコスト的に難しい場合があるため

海外論文にあるような成功率を確保することは難しいかもしれません。

 

実際、再根管治療を行っていくと

以下のケースの様にガッタパーチャ アクセサリーポイントがボロボロの状態に

よく遭遇します。

 

根管治療開始時

根管治療中

ボロボロのガッタパーチャ アクセサリーポイントがウネウネと出てきます。。。

最後はこんな感じで取れてきます。

 

ガッタパーチャ アクセサリーポイントの成分は

酸化亜鉛、硫酸バリウム、ガッタパーチャ(天然ゴム素材)、その他

とされていますが天然ゴムが占める割合が高く徹底した洗浄ができていても

見えない細菌が付着し二次感染を起こして

数年すると上記の様な感じになり

その結果

歯が疼く、

体調悪い時に歯が重たい感じがする、

歯茎が腫れた、

鼻詰まりが片側だけ起こる、

などの症状を呈してきます。

 

 

また、まれにですが根管内部から治療に使用するファイルが出てくることもあります。

このケースの場合

取り出してみると長さは2mm弱なのですが

過去の治療でファイルに汚染物質がついたまま

根管内部に放置された場合

再感染の原因になり得ます。

 

 

根管治療は建築(リノベーション)で例えると、柱の修復です。

根管治療(柱の修復)を疎かにして綺麗なセラミック(屋根や外壁)を装着しても

再治療リスク(家の再修復リスク)は2.7倍とも言われていますので

根管治療がいかに大切な治療であるか書かせていただきました。

 

 

 

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