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歯の治療方法でベストチョイスはなにか、
同業の歯科医師と議論すると、その先生によって様々な回答が返ってきます。
つまり、それだけ各治療方法にメリットデメリットが存在し、先生によって得意な方法が異なるというわけで
ベストチョイスが何か決定することは簡単ではありません。
また、患者さんによっても好みの違いで、どの治療方法を希望するか変わってきます。
そこで諸隈歯科医院では、患者さんの希望を聴取しつつ、当院がベストと考える方法を提示させていただいています。
その際、諸隈歯科医院が常に意識するポイントは
1:患者さんの希望
2:年齢に応じた治療期間
3:再治療のリスク
4:歯の保存
5:再治療が求められた際、治療方法の選択肢を残しておくこと
6:費用対効果
1:患者さんの希望
患者さんの希望を治療に反映できるかは、
お口の状態によりますが、
十分な説明を行なって治療方法に納得できるよう心がけています。
2:年齢に応じた治療期間
若年者から高齢者まで、治療期間が短いに越したことはありません。
当院では治療期間を早く終えて、メンテナンスに移行することで
患者さんが安心して食事ができて笑って暮らせる時間を早く取り戻して欲しいと思っています。
しかし、重度の咬合崩壊や、矯正治療とインプラントの併用治療などで
緻密な治療を実践するとなると、どうしても治療期間が数ヶ月から3年程度かかる場合もあります。
どのレベルの治療を希望するかによって、このあたりは大きく変わってくると思います。
3:再治療のリスク
近年歯の保存が注目を浴びていますが
予後不良の歯を無理に残し、さらに綿密に治療を実践ができなかった場合
再発を起こす可能性は高くなる場合もあり
お口の健康を逆に悪化させてしまう場合があります。
歯を残すことは、我々歯科医師の至上命題ではありますが
・歯の保存が厳しいけど歯の保存にチャレンジしていくのか
・歯の保存はせず、安定した口腔内環境を整えてインプラントやブリッジ、義歯などで予後良好な状態に移行させるのか
このあたりは、患者さんの希望・治療期間・治療費
を鑑みて治療方針を決定すべきかと思います。
4:歯の保存
歯の保存は歯科医師がもっとも大切にすべき使命です。
インプラントは歯が無くなった時、あるいは歯の温存が不可能である時の必殺技といえます。
極力歯の保存についてのプランを説明して、そのリスクについて患者さんと共有できればと思います。
5:再治療が求められた際、治療方法の選択肢を残しておくこと
このコンセプトの意味合いは
歯の治療は4回から5回程度が限度ということもあり、
歯の治療は少なからず歯を削ることもあるため、
なるべく削る量は最小限にと留めておくことを勧めますが、
年齢に応じて、耐久性を持たすために積極的に歯を削って治療を行うべき時もあります。
いずれにせよ、歯科治療は人工物(セラミックや金属・プラスティック)を使いますので
再治療が必要な際にリカバリーのための手段を考慮した治療方法を選択するのも一つだと思われます。
6:費用対効果
患者さんがもっとも気にするポイントの一つと思われます。
しかし、一見すると高額な治療費も再治療することなく何年も経過することができれば
費用対効果は非常に高い治療といえますし、時間あたりの治療費は安く抑えることができるでしょう。
つまり、長持ちする治療がやすい治療といえます。
色々書きましたが
これらのコンセプトをもとに
以下は虫歯治療の際
歯の削る量を最小限に抑え、プラスティックで修復した治療例です。
年齢は若い方でしたので歯の削る量を最小限にして、歯の保存にフォーカスしています。
銀の詰め物がとれて来院されました。
中は虫歯となっています。
銀歯は2次虫歯のリスクが高いように感じます。
ラバーダム防湿を行い虫歯を除去します。
CR(プラスティック)にて修復し研磨していきます
治療終了後二週間の写真です。機能的で綺麗な歯に整えることができました。
こちらも
銀歯が取れて来院されました。
歯の残存量は多くはありませんでしたが
セラミックにする前に歯の温存に力を入れてCRで修復しています。
今後CRが劣化したり歯が割れたりして再治療が必要になった時は
大きく削ってセラミックで修復したらどうですかと説明をして
患者さんには同意していただきました。
CR修復直後の写真です。咬合接触点は研磨で消えてしまっていますが
綺麗に整えることができました。