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顎関節症は、メカニズムを理解し診断から治療計画を立てることが重要です。
全顎的治療(咬合再構成)の際も、顎関節の事前診査する必要がある場合があります。
顎関節は体の中で唯一左右が連動して動く関節ですので
片方に問題が生じただけでも顎関節症は発生します。
顎関節症の症状は、
運動障害の中でも開口障害(口が開かない)を伴う顎関節痛が大部分を締め
原因は、不正咬合(様々な治療を繰り返し行なってきたことによる噛み合わせの問題)や長年の生活習慣によるものが多いように感じます。
治療に向けて必要な診査はおおよそ以下があります。(常に全ての診査が必要なわけではありません)
1:歯同士の噛み合わせと顎関節の動きが同調しているか確認(ICP=CRの確認)
2:顎関節の開閉口時のCT撮影(顎関節隙の確認・下顎頭の変形の確認)
3:パノラマ写真(下顎頭の形態も含めたの口腔系全体の確認)
4:筋痛部位の確認(過緊張を起こしている顎口腔系の筋肉を確認)
5:開口運動と開口量の確認(健全時35mmから45mm)
6:zebris jow motionによる機能運動の確認
7:上下の模型をフェイスボウトランスファーし歯の早期接触部位の確認
8:MRIによる関節円板の脱離やジョイントエフュージョン等の確認(当院では千葉の井上記念病院放射線科に依頼)
少し解説すると上記のように
顎関節はICPと言われる咬頭嵌合位とCRと呼ばれる中心位が一致して機能的な動作をする事ができます。(一番左)
しかし顎関節と噛み合わせが不一致だと緑色の関節円板(軟骨)が脱離したり偏位し(右三つ)
関節の運動障害を引き起こすキッカケになる場合があります。
そこで、関節円板およびそれを挟む下顎頭(下顎の骨)について様々な手法で位置改善を試みるのが顎関節治療となります。
症例によっては長年顎関節の運動障害で
顎関節自体の変形を伴う場合もありますので
慢性的な病態ですと、スプリントなどを応用したオーラルリハビリテーションが必要になる場合もありますし
急性症状であればマニュピレーションと呼ばれる関節円板復位治療によって治ることもあります。
顎関節治療は歯科医の領域ですのでお困りの方は、まずは近くの歯科医院を受診することをお勧めします。